2019年に始まった「INAMIため池88カレーフェア」は、稲美町の豊かな文化と歴史をカレーで表現するイベントとして、多くの方々に親しまれてきました。今年で6回目を迎えるこのイベントは、「いなみ野カレーフェア」と名称を新たにし、過去最大の11店舗が参加して開催されます。
古代から水不足に悩まされてきた稲美町。その困難に立ち向かい、農民たちは命を懸けてため池を築き、町に豊かな農業の未来を切り開きました。時代が変わってもその精神は受け継がれ、今、新たな挑戦として「いなみ野カレーフェア」が誕生しました。
詳細はいなみ野カレーフェア2024HP→https://inaminocurry.net/
日時:10月16日(水)~12月25日(水)場所:稲美町の飲食店11店舗
5店舗で食べ周りスタンプを集めると、先着50名に稲美町商品券1000円分プレゼントいたします!
「#いなみ野カレー2024」でInstagramに投稿すると、抽選で30名様に稲美町商品券1000円分プレゼント!
いなみ野カレーヒストリー
水のない台地が生んだ奇跡の物語
〜稲美町のため池と農民たちの挑戦〜
水不足の地で育まれた農業の知恵稲美町は、兵庫県の中央に位置し、山からも海からも遠い台地の上に広がる町です。この地域は、古代から「いなみ野」と呼ばれ、万葉集にもその名が刻まれています。しかし、川もなく、農業を営むには水の確保が最大の課題でした。自然の豊かさに恵まれながらも、かつてこの地は深刻な水不足に悩まされていました。
農民たちは、日々の暮らしを支えるために少ない水を分け合ってきましたが、限られた水資源を巡り、隣村との間で争いが絶えませんでした。その争いはやがて、地域を分断し、住民たちの心に深い溝を作ってしまいます。
命を懸けた農民たちの挑戦争いではなく協力の道を選んだ数人の農民たちが、未来を見据えた大胆な決断を下しました。彼らは、村を救うために自らの手で水路を引くことを決意し、県に対して嘆願書を提出することを計画しました。この嘆願書を持参する際、農民たちは家族と「水杯」を交わし、帰ってこられない覚悟で旅立ったと言われています。
その決意は、まさに命を懸けたものでした。農民たちの熱意と覚悟は県の心を動かし、ついに多くのため池が稲美町に建設されることになりました。これにより、地域は長年にわたる水不足から解放され、稲作をはじめとする農業が飛躍的に発展しました。ため池は、地域の基盤となり、稲美町の風景に欠かせない存在となったのです。
変わりゆく時代とともに進化するため池の役割時代が移り変わり、農業技術や灌漑設備が発展するとともに、ため池の役割も変わっていきました。かつては農業用水の供給が主な目的でしたが、今ではため池は地域の景観を彩り、また生態系の保全にも重要な役割を果たしています。県内最古の天満大池や県内最大の加古大池など、稲美町には88箇所のため池が存在し、これらは地域のシンボルとして、稲美町の歴史を静かに語り続けています。
新たな挑戦:いなみ野カレーでつなぐ未来現代の農業は、IT技術の進展による効率化とともに、新たな課題に直面しています。収入が減少し、規格外の野菜や作り過ぎた野菜に農家たちは頭を悩ませる日々が続きました。そんな中、稲美町では地元で収穫された野菜を無駄なく使い、地域経済を守るための新たな取り組みが稲美町商工会主導で始まりました。それが「ため池カレー」のプロジェクトです。
しかし、このカレーが持つ意味やため池の歴史が十分に伝わっていないことに気づいたため、カレーの名前を「いなみ野カレー」と改名し、再スタートを切りました。地元の誇りを全国に発信するこのプロジェクトは、稲美町商工会が初めて実施したプロポーザルから生まれたものであり、地域の未来を担う新たな挑戦でもあります。
稲美町の物語を全国へ稲美町のため池に込められた先人たちの思いと、現在進行中の地域振興への取り組みは、まさに全国に広める価値のある物語です。水不足に悩まされた台地で生まれた奇跡の歴史は、困難に立ち向かう勇気と団結の力を教えてくれます。稲美町の魅力を広める力を持っているのは、いなみ野カレーを楽しみに来てくださった皆さんです。共にこのストーリーを広げ、多くの人々に稲美町の魅力を届けましょう。稲美町の次なる一章を共に紡いでいくのは、あなたです。
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